不動産マメ知識 その13

不動産マメ知識 その13


所有者不明土地関連法案が成立



平成29年度の国土交通省の調査によれば、所有者不明土地は全国土のおよそ22%に達しています。

高齢化社会の進展等により、この数は今後さらに増加することが予想され、地域経済への影響が深刻化するおそれがあります。

法務省は問題解決に向けた議論を進め、去る4月21日、民法や不動産登記法等の一部改正案が今通常国会で成立しました。


今回の法案は、「所有者不明土地の発生予防」と所有者不明土地の利用円滑化」という2つのアプローチがあります。



「住所変更登記」


引っ越しなどで住所が変更になっても、現状は登記義務がないため未登記で放置される場合が多いです。特に都市部においてはこの住所変更登記の未了が所有者不明土地の主な発生原因となっていることから、今回の改正ではこれが義務化されます。


具体的には変更後2年以内に登記申請が必要になります。これらの措置に加え、登記官が、住民基本台帳ネットワーク等他の公的機関から情報を取得した場合に、職権で変更登記ができる新たな仕組みも導入されます。



「国庫帰属制度」


土地を相続したものの手放したいと考えている人は多く、土地を管理する手間や費用などに負担感を感じており、結局このような土地が管理の不全化を招き、所有者不明土地の予備軍となる可能性が高いです。


こうした問題に対応するため、相続によって取得した土地を手放して、国庫に帰属させることができる制度が創設されます。


ただし、全てのケースでこれを認めてしまうと、「国が引き取ってくれるから」というモラルハザードが生じるおそれがあるため、一定の条件が定められています。


例えば、権利関係に争いがある場合や、土壌汚染などがある土地は対象外となります。


また、土地の所有者は、10年分の管理費用相当額を国に支払う必要があり、これらについて法務大臣が審査することになっています。

このように土地所有権の国庫帰属制度には一定のハードルがあります。



※法の施行は一部を除き公布後2年以内。今後の政省令等でさらに詳細な運用が規定される予定



次回の”不動産マメ知識”は「所有者不明でも土地の利用可能」についてです。

(Y.K)

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